19日の夜に高田本町2丁目で6棟を全焼し、お一人の男性が亡くなられました。今年2月に本町6丁目で4棟全焼、同年3月には本町1丁目で7棟延焼。今年だけで本町通りで約20棟の建物が火災で失われています。今回の火災は私の生まれ育った場所の裏でもありました。近所の方々の顔が浮かび消火発表があるまで眠られませんでした。このように昔懐かしい街並みがあっという間に火災で無残に消えていくのは、自分の郷愁も消えていくようで寂しく、なんともやるせない気持ちになります。
商店街は建物が密集していて、雁木で火が回りやすいこともあります。随分前ですが、火災後雁木の屋根伝いに火が回っているのに気づかず消火完了としていたところ、数時間後に火災が再び発生して被害が広がったことがあったのを記憶しています。
今回の火災現場でお話を伺っていて2つのことに気づかされました。1つは空き地の重要さです。今回の火災では空き地を挟んだ先には延焼していませんでした。その空き地は以前私や馬場県議もよく知る方の土地でした。持ち主は生前「思い出の建物がないことは寂しいね」と空き地を指して過去の思い出を私によく話してくれましたが、もしその建物が残っていたら今回の被害はもっと広がっていたかもしれないと言われました。現在雁木通りなど住宅密集地には空き家も少なくありません。風が強ければ空き地さえも防護にならないかもしれませんが、それでも壊れそうな空き家は平地にしていく必要もあるのではないでしょうか。
もう一つは、危険物に対する周知についてです。被災された建物の中の1軒にプロパンガスが複数本あったことがわかりました。近所の方によれば、その建物でプロパンガスを使用していたことは知らなかったとのこと。消防署員が慌てて壁を壊してその存在を確認している様子を見ていて足が震えたと話してくださいました。そのままになっているということはそのプロパンガスは空だったかもしれません。しかしその存在を周りが知っているのと知らないとは避難の方法や避難の範囲が変わってきます。事業者は危険物の有無についてきちんと町内なりに知らせておく必要があるのではないでしょうか。
これから暖房器具を使い始める季節が始まります。火災防止のために取り扱いには十分気を付けていきましょう。そして古いお宅は絶縁劣化(電線を覆っている絶縁カバーの劣化)や、コンセントにごみが溜まっていることに気づかなかったりします。これらも火災の原因になります。最近ブレーカーが落ちることが多くなったなんて場合は漏電の可能性もあります。どうかご注意ください。
昨日までの酒祭りの賑やかさかも去り、今日はいつもどおりの本町商店街に戻りました。その中で静かに「アメージング・グレイス」の曲が流れています。もしかすると火災の被災者らを配慮されてかもしれません。その心遣いを温かく感じます。
🍙いばらき