お盆前に、７年ぶりにお会いした親子がいます。以前法律事務所で私が担当させていただいたご縁で、その後もしばらく親しくさせていただいていました。コロナ禍も挟まりなかなか会えないまま７年ほど経過していましたが、政治事務所に娘さんを連れてひょこり顔を出してくださいました。娘さんは現在高校三年生。障害を持っていましたが、現在は症状も落ち着き薬を飲まなくても生活できるまでに回復されました。事業を営んでいた夫を突然の病で亡くしてから、とてもご苦労をされた母子です。でもこの方は常に前向き。夫の病が見つかった時に、なんと言葉をかけていいか躊躇していた私に「ここまで複数の苦難でどん底を味わうなんてすごい経験していると思う。あとは上がるだけ。くよくよしても仕方がないでしょう」と語ってくださったときのことは今でも覚えています。そして今回お話を伺ったらなんと、アラ還にして「コスプレデビュー」をしたとのこと。娘さんが興味をもってフェスに参加していたので、一緒に参加したそうです。ときどき近くに住むお孫さんとも一緒に参加されるそうで、その変身した写真を何枚か見せていただきました。ばっちり化粧をしていつもと違う服を着ているので正直誰だかわからない（笑）。でもみんな楽しそう。その中でも彼女が一番楽しんでいるのがわかりました。そして娘さんはまさに男装の麗人で惚れ惚れするくらいかっこいいのです。「どれも夫にも見せたかった景色。私は夫ができなかったことに挑戦する。年齢に縛られちゃダメ。楽しいことがいっぱいあるんだもの」とちょっと目を潤ませながらそう話してくれました。そして帰り際に「コスプレした時にダンスも踊るから、これから親子でダンスレッスンなの。腰が痛いとか言ってられないよね（笑）」と。
次に、お盆の１５日にも別の場所で「６０歳から油絵を始めた」という女性と出会いました。とても大きなキャンパスに自宅の木々を毎年一本一本描いているそうです。そして近年その絵が賞を取って東京の有名な美術館に展示されたそうです。「キャンパスと向き合う時間は苦しいけど楽しいのよ。木と対話しながら描いているの」と話してくださいました。彼女も「興味を持った時に始める。それが大事。年齢は関係ないよ」と。彼女は自分の作品だけでなく、いろいろな方が趣味で作られた作品をご実家のお寺に飾り、発表の場を提供されています。それを見てくださった方が「自分もやってみたい」とか自分の趣味と同じだと喜んでじっくり見てもらえたら嬉しいとも話されていました。
お二人とも、年齢に囚われずチャレンジする点、他者への思いやりが溢れている点が共通しています。私も新しいことにチャレンジ中ですが、時折年齢の壁に躊躇してしまうこともあります。でもこのお二人にお会いしたことで「私もまだまだ迷わずチャレンジしていいんだ」と元気をいただきました。もちろん思いやりも忘れずに。
🍙いばらき