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からすうり

 家の近くに小さな所有者不明地があります。だれも手入れをしないその土地で、毎年からすうりの蔦が木々に絡まります。夏には白い網状の花を咲かせ、晩夏から初秋には緑色の実がなり、今頃になるとオレンジ色に変わります。

 その実か種を食べた鳥が運んできてくれたのでしょう、我が家の木にも今年、同じからすうりが生りました。置きの花入れには飾りにくいのですが、強引に蔦を絡ませて活けてみました(上記写真)。

 私が「からすうり」を知ったのは宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の中です。ジョバンニたちがお祭りに行く場面で「からすうりの明かり」を川に流すというのがあったように記憶しています。当時はメロンのような丸い瓜だと勝手に思い込んでいたのですが、大人になって初めて「からすうり」を見た時は想像と違い驚いたものです。こんな愛らしい形の瓜ならば童話の世界にぴったりだと思いました。

 小学生の時にこの本で読書感想文を書きました。うろ覚えでえすが、ジョバンニかカンパネルラのセリフで「ほんとうの幸いって何だろう?」「正しい道を進んでいる中での辛いことは幸いなんだ」というようなのがあったのを覚えています(正しいセリフの言い回しは忘れました…)。50歳を超え銀河鉄道に乗車することも想像するできるようになった今、もう一度「ほんとうの幸いって何」と問われたらどう応えましょうか…。たぶん自分が乗車する直前までそれを探し続ける気がします。

 秋の夜長、童話のようで哲学書でもある『銀河鉄道の夜』をまた読んでみようと思いました。さて、本棚のどの辺にあったかな。家に帰って探してみよう。          🍙いばらき

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