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本の再生と詩集

 板倉区のゑしんの里記念館で、板倉にお住いの長嶺久司さんのブックアート展が今月の24日まで開かれています。「ブックアートって何だろう?」と思いながら会場へ。そして最初の作品を見てすぐに「すごーい」と思わず声をあげてしまいました。とにかく繊細で、精巧。どうやってつくられているのか、横に置かれた設計図(色分けと㎜単位の数字が記載されている図面)を見ても???わからない…。本当に細かくて美しい。それが「本」だから一層何とも言えない味があるのです。また見る角度によって見え方も変わり360度楽しめるアートです。これらは読まなくなった本を利用して切り込みと折り目をつけてつくるアートとのこと。読み終わって捨てられてしまう本が、こんなアートになって生まれ変わるって素敵です。今度ご本人にお会いした時にもっと詳しく伺いたいなと思っています。

 本と言えば、昨日詩人の谷川俊太郎さんが亡くなれました。彼は翻訳家としても「マザーグース」「スイミー」「あしながおじさん」など、どの世代も知っている作品の翻訳も手掛けていますので、詩集を読まなくても、一度くらいは彼の作品に出会ったことのある方が多いのではないでしょうか。私は、長年合唱に携わってきたこともあり谷川俊太郎さんの詩に出会う機会が多くありました。紡ぐ言葉はストレート、でも温かい。そして時折切ない。自らの戦争体験から、人々の命を奪い合う争いを憂い、平和を願うその人生観と人柄が詩に溢れ出ていたのでしょう。私もその詩の世界に惹きこまれて何冊か彼の詩集を買いました。詩集は、小説と異なり、その時その時の気分で手の止まる作品が違ってくるのも醍醐味ではないでしょうか。だからなかなか手放せない。

 今日は手放された「本」の再生に出会った日でもあり、手放せない「本」をまた開きたいと思ったそんな一日でした。                              🍙いばらき

 

 

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