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佐渡紀行(視察より)

 県議会産業経済委員会は、1泊2日(5月14日、15日)で佐渡に県内視察。14日は宿根木(しゅくねぎ)を訪問しました。

 宿根木は佐渡の南西部、小木半島に位置する集落(小木港から車で10分)で、江戸時代から明治時代にかけて北前船の寄港地として栄えました。約1㏊の土地に220棟の建造物が密集してます。一つ一つの家屋は狭く、その外観も質素ですが、内部は豪華な造りになっています。「JR大人の休日倶楽部」のCMで吉永小百合が宿根木を散策する姿が全国に流れ、宿根木は全国区になりました。昭和の情緒がありますよね。路地で子どもたちが遊んでいたり、着物着た女性が勝手口から出てくるんではないか。懐かしい昭和の時代に迷い込んでしまった感覚になりました。

 それにしても、歴史的町並みを維持するのは大変と思いました。それを北啓県議(佐渡市選出)に聞いたところ、観光客一人につき100円の街並み保全協力費を徴収し、それを財源にして、街並みの維持保全をしたり、地区の方々が観光客を案内しているとのことでした。目には見えないところで、地域の皆さんが歴史と文化を支えているということがわかりました。

 私以外の委員は、新潟から両津港に向かいました。私は、上越市に住んでいるわけだから、直江津小木航路で佐渡を目指しました。14日7時10分、直江津港でカーフェリー「こがね丸」に乗船し(写真上)、佐渡の小木港に向かいました。佐渡というと、船に乗るだけで「遠いなあ」という印象がありましたが、乗船手続きもチケット購入だけで簡単。直江津→小木航路の片道運賃は二等席が3,180円。特等席、一等席もありますが、この日は客も少なく、二等席で十分です。横になってくつろぐことができました。小木港までの航行時間は約2時間40分。デッキに出て景色を眺めたり(この日は晴れていて妙高山が見えました。本を読んだりしたので、時間の長さを感じませんでした。佐渡は、そんなに遠くないですね。

 15日、視察は終了しましたが、船の出発まで時間があったので、個人で相川京町通り沿いのミニシアター「ガシマシネマ」を訪問しました。館主の堀田弥生さんは、この映画館を2017年にオープンさせた。 館内は20席、カフェもあります。玄関に入ると、カレーの美味しい匂いがしました。高田世界館の関係者ですと自己紹介して10分くらい堀田さんと話をしました。

「ガシマシネマ」の堀田さんは、新潟の「シネ・ウインド」や東京の「ポレポレ東中野」で勤務された方。僅かな時間だったけれど、堀田さんの映画やミニシアターへの熱い思いを聞けました。私も「高田世界観」の立ち上げや活動の話をした。至福の時間、また行きたいです。

「ガシマシネマ」のあと、まだ船の出発までの時間があったので、「相川郷土博物館」に行ってきた(これは個人で訪問したものです)。佐渡金山の世界遺産登録では、朝鮮半島出身労働者の強制連行の「負の歴史」をどのように取り扱うかということが課題の一つになっていました。どんな展示になったのか自分の目で確かめたかったのです。博物館は、日本のマチュピチュと称される産業遺跡「北沢浮遊選鉱場跡」の脇にあり、木造の質素な建物で、数室の部屋が渡り廊下で繋がっていて歴史を感じました。すべての展示をみれば佐渡金山の歴史がわかります。その中の一室に「朝鮮半島出身者を含む鉱山労働者の暮らし」の展示コーナーがありました。戦時中、佐渡金山には朝鮮半島から多くの労働者が「徴用」され、朝鮮人労働者の総数が1500人余であったとの解説がされていました。近代日朝関係史を知っている人々からすれば、ツッコミが不足していると指摘されるかもしれませんが、政治的に複雑な環境の中で「朝鮮人労働者を含む鉱山労働者」のパネルが展示できたことは評価できるのではないでしょうか。そして、これらの展示をみれば、佐渡金山の発展が鉱山労働者の過酷な労働に支えられていたということがわかります。

 駆け足でしか見られなかったけれど、今度佐渡再訪の際はじっくり見てみたです。佐渡はホントに奥深い歴史の島でした。                           🌈馬場秀幸      

                                   

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